東南アジア2大EC企業の買収発表ニュースから考える今後の東南アジアECスタートアップ企業の動き

4月も最終日になりますね。4月は東南アジアのスタートアップ企業に大きな動きが出ました。ドイツのRocket Internet(ロケット・インターネット)が東南アジアで展開する大手ECサービスLAZADAとZALORAの買収ニュースです。

東南アジアの特定の1カ国だけではなく、東南アジアの各国で圧倒的な知名度、ユーザー数、トランザクション数を誇る2社が動き、今後、東南アジアの他のEコマース企業の動きも大きく変わってきそうです。

LAZADAとZALORAの2社の買収の内容とは

Alibaba(阿里巴巴)が東南アジアのEコマース大手Lazadaの10億ドル分の支配権を獲得、評価額の2/3

Alibaba は今日、Rocket Internet が運営する Lazada の10億ドル分の企業支配権を購入することで合意した。Lazada は、東南アジアで Alibaba の競合と目される最も成長の速いオンライン・デパートだ。同社は、洋服から家電まで、多岐にわたるプロダクトをシンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムで販売している。

発表の中で、Alibaba は5億ドル分の新規発行株式と既存株主からの株式買取をあわせ、合計10億ドルを Lazada に出資したことを明らかにしている。

引用:THE BRIDGE

かなり前からAlibabaがLAZADAを噂もあったみたいです。

売却金額が少し思ってたよりも小さいことがソーシャル上でも話題となっていましたが、10億ドルなんで日本円に換算すると約1,080億円になります。凄い額ですよね。これによって事実上AlibabaがLAZADAの経営権を取得し、東南アジアのEコマースを抑えた形となりました。

ファッションポータル「Zalora」、ベトナム・タイ市場で苦戦

TechCrunchによればまだ商談が完全にまとまってはいないものの、地元のコングロマリット企業がタイのZaloraをわずか1000万米ドルで取得することに合意したとのこと。取得者については現在明らかになっていない。

引用:DEJIMA NEWS

ZALORAはLAZADAと同様の全ての展開国ではなく、タイとベトナムだけ手放すようです。まだ、最終的な手続きは取れていないものの1,000万ドル(約10億円)となり、東南アジア全体でファッションだけではなく、ガジェットなども販売をしているいるLAZADAの買収額に比べると少ない評価額ですね。

東南アジアのLAZADAとZALORAの実態

よく日本から出張などでこられる方に「LAZADAってもう黒字ですか?」なんて聞かれますが、そんなのはまだまだ先。とにかく東南アジアのEコマース企業はスタートアップ企業が多いので、広告費から人件費からバブリーな感じにより黒字と思われている方も多いようですが、2社共に赤字です。

企業価値は1,600億円だが年160億円の赤字

今回のディールにおけるラザダの評価額は15億ドル(約1,620億円)だが、これは同社の増え続ける赤字額からすると大きな金額にも見える。ラザダの2014年の売上高は1億5,430万ドル(約167億円)と、2013年の7,550万ドル(約82億円)から倍増しているが、純損失も2013年の6,700万ドル(約72億円)から1億5,250万ドル(約165億円)へと大幅に増えている。

引用:Forbes JAPAN

Rocket Internetは2012年に「Lazada」と「Zalora」を立ち上げた際、AmazonやeBayのサービスを受けていない5億5000万人以上の人口を持つ東南アジア地域の電子商取引における隙間を埋めようとした。両社ともに2015年までに利益をあげることを目標としていたが、当初の目標が高く掲げられたことや市場の成長性が低いことも相まって昨年は大きな損失を出し続けた。

引用:DEJIMA NEWS

これがLAZADAのP/Lです。

出典:TechCrunch

売上が伸びると共に赤字も膨れ上がるようです。2社の赤字金額を見ると売却金額は妥当ではないかと考えられます。

これは聞いた話になりますが、AlibabaがLAZADA買収前にLAZADA社員のリストラと広告費の削減が行われたらしいです。赤字の規模を見ても黒字化はまだ先になりそうなので、実際にありそうな話です。

東南アジアのEコマース企業はスタートアップ企業多いので、投資家からの資金調達規模で注目され大きなニュースになることが多く、資金調達を一つの成功と捉えている方が多いかと思いますが、資金調達=成功ではないということが今回の2社の買収の発表で知ることが出来たと思います。

今後の東南アジアのスタートアップ系EC企業の動き

今回のLAZADAとZALORAの東南アジアで圧倒的なECサービスの2社の売却金額規模を見ると、今までのスタートアップ企業の動きかたとは異なり、企業売却の動き方よりもIPOを目指す感じのスタートアップ企業の方がが多くなる気がします。

また、Eコマーススタートアップ企業の収益性を考えると広告費などにも影響が出そうです。インドネシアでは広告費が鈍化しているにもかかわらず、2015年のインドネシアのEコマース企業の広告費は44%増とEコマース企業のバブリー感が出ています。企業の収益のことを考えると今までのブランディング広告など少なくなり、よりパフォーマンス広告に寄るかもしれません。

今回の2社の発表は少なくとも他のEコマーススタートアップ企業への影響を与えるでしょう。

 

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