インドネシア

インドネシアのインターネット企業撤退から学ぶ。今後のインドネシアに進出する事業領域に関して

今までインドネシアのインターネット関連の仕事に関わって来た人これから来る人インドネシア人インドネシアのインターネットマーケットなどインドネシアのインターネットマーケットが、意識を変化をする時期が来たと感じています。

日本のインターネット企業がインドネシア進出で騒がれていた約4、5年前の2012年くらいに比べると(もしかしたらもっと前かも。)、インドネシアに進出しているインターネット企業の顔ぶれは2012年に比べるとかなり変わりました。

2012年の当時はインドネシアへのインターネット業界の進出もかなり注目されてました。よく日本のニュースでもインドネシア進出ってキーワードを目にしましたね。

ところが、最近は日本からのインターネット企業のインドネシア訪問も減ってきています。

他にも東南アジア系のスタートアップニュースを提供するTHE BRIDGEで取り上げられてるサービスもたくさんありますが、今やURLを叩くとサービスが無いものもたくさんあります。

今までのインドネシアのインターネット企業状況

以前は、インドネシア人口の多さから最も注目もされていたEコマースマーケットですが、今年、2016年に東南アジアの最大のEコマースサイトのLAZADAが中国のAlibabaからの買収によって注目されてからは、広告費バブルだったEコマース企業の変化もあったような気がします。

過去記事はこちら

投資家、ベンチャーキャピタルから見ても、インドネシアのEコマースは収益にならないことが浮き彫りにされましたね。

なんせ先が全く見えないインドネシア経済成長との戦いで、赤字が膨らむばかりなんですから。経済が成熟した日本でのスタートアップとは違うわけです。

インドネシアのインターネットマーケットへの投資は長期的な投資なんでしょうけど。それにしてもGDP、経済成長が全くついてきていない状況ですよね。

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こちらは2014年までの中国日本インドネシアのGDPのグラフ。

まぁ日本の成長は置いておいて、インドネシアは伸びてはいるもののドカーンとした成長率はなく、むしろ最近では鈍化してきてる状況。逆に中国は凄い高度成長を見せていますね。

日本企業の撤退ニュースがフォーカスされたり、2ちゃんねるの記事では炎上してるケースが多いですが、やっぱり中国凄いですね。

中国同様、中国の後に注目をされていたEコマース含めてインドネシアのインターネット企業の進出ですが、今、現状のインドネシアのマーケット状況をよく考えてなぜ?各企業がインドネシアから撤退をしたのか?なぜこんなに中国と成長率が違うのか?を聞いてみることも大切だと思います。

そして、インドネシアでインターネット企業が成功するために撤退企業から学ぶことも多いのでないのでしょうか。

インドネシアから撤退した大手ネット企業

Yahoo! Indonesia

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日本人の皆さんならお馴染みのポータルサイトYahoo!です。

2014年12月にインドネシア、ベトナム、マレーシアなど東南アジアの発展途上国圏からオフィスを撤退しました。

インドネシアではYahoo! Indonesiaのメールアドレスを使っている人もかなりいるので、Yahoo! Indonesiaのサービスサイト自体はまだ利用が出来ます。シンガポールからクロスボーダーで運営しているようです。

ちなみに当社の社員も約20名にも聞いてみましたが、全員Yahoo! Indonesiaのメールアドレスを持っていました。

インドネシアではオペレーションが難しい感じなんだと思います。

Rakuten

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2011年にインドネシアに進出しています。

日本ではAmazonの次に利用されている日本初Eコマース企業の楽天です。かなりの多くの日本人が使った事があるEコマースサイトですよね。

2010年にインドネシアに進出と発表し、インドネシアの大手MNCグループとEコマースサービスを展開してきましたが、2016年3月に撤退しました。

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まずはMNCグループとの提携解消。

1ヶ月以上前にDailySocialは、MNC Groupが日本のeコマース大手楽天とのジョイントベンチャーの株式を売却する計画について報じ、楽天が同社子会社Rakuten Belanja Online(RBO)経由でのインドネシアでの事業を継続するかどうかに関心が集まった。

先日、DailySocialは、Rakuten Asia経営幹部より同社がインドネシアでの事業を継続するとの確認を得た。声明の中で楽天株式会社常務執行役員(AsiaRHQ)の島田亨氏は、昨年シンガポールに地域本部を開設したことにより、この地域のマーケットプレイス事業は弾みがつくことになるだろうと述べている。

引用:THE BRIDGE

東南アジア各国における楽天撤退ニュース

sukamart.com

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2013年に住友グループがインドネシアで手がけていた食品関連の商品をメインに取り扱っていた食料品Eコマースサイトですが、今年2016年6月にインドネシアから撤退です。

僕がインドネシアに来た3年前はバスラッピング広告など、ジャカルタ市内でもかなり広告を目にしていましたが、最近はほとんど広告も見かけなかったです。

あの住友グループが!?って驚く人も多いのでないでしょうか。

住友グループはEコマース事業だけではなく他の事業から収益源がある企業なのですが、事業別PLで見るとかなりしんどい状況だったのでしょうか。

Ensogo Indonesia

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東南アジアで展開するGroupon系のフラッシュセール系のEコマースサイト。

アメリカのLivingSocialが買収をしてインドネシアの展開も行っていましたが、現在はiBuyグループ資本となっています。

最近では、商品が届かないとか日本でGrouponが流行った時と同じ現象が多く起きていてSNSなどでは文句のコメントで炎上しています。経営悪化によりインドネシアだけではなく東南アジア全域のサービスをクローズするそうです。

mediba

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多分、インドネシアからは撤退されたんだと思います。

確か、インドネシアの大手代理店のbubu.comの提携をしていたと思いますが、その後ニュースは全く見ない状況です。

TAKASHIMATSUURA.NETのまとめ

撤退を「した」、もしくは「する」企業を見ると、やはり収益性の問題が共通してますね。

インドネシアに進出をして4、5年間経つ企業もることを考えると、投資コストとしてはしんどいですよね。

インドネシアに進出をして来た後と、進出する前では想定をしていたビジネスプランとは絶対に違うはずです。

もちろん、当社もそうです。

何回、事業計画書を書き直したことか。

これには色々な問題(経済成長、宗教、生産性、人材、人材コストなどなど)が、あるんだと思います。この事実をしっかりと受け止めインドネシアに進出した際にどのように進めていくのか?をしっかりと考えるべきだと思います。

ジャカルタに調査に来て「おぉーインドネシアって思ったより栄えてるね。」って時代は終わりです。

なぜなら、ジャカルタ = インドネシアではないです。

世界4位の2億5千万の人口数を誇るマーケット、インドネシアでビジネスをするぞ!と思っていた時のマーケットサイズの結果ではないということです。

ただ、インドネシアのマーケットは今後、確実に伸びるでしょう。そう考えるとインドネシアのマーケットが伸びる時に撤退せずにインドネシアで事業を展開出来ているのか?ということが大切なんだと思います。

この撤退企業でいうとYahoo! Indonesiaは撤退したのにも関わらず、サービス自体は継続してますよね。事業自体をインドネシアに置くEコマースでは無理かもしれませんが、メディアであればクロスボーダーである一定の収益が見込めるのです。

現にグローバル企業などはシンガポールなどからインドネシアのメディアに出稿しているケースもあります。

インドネシアのマーケット全域を見ることの重要さ。今のインドネシアの現状を捉えた中で、今後どのようなインドネシアストーリーを描いていけるのか?を考えるのが今は凄く重要な事なんだと思います。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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ABOUT ME
TAKASHIMATSUURA
インドネシア在住。東南アジアで金融サービスへのアクセスを向上させるマッチングプラットフォームを運営しています。