インドネシア

インドネシアの配車アプリデモからわかるインドネシアローカル企業のサービスレベル

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先週、インドネシアの大手タクシーブルーバードの運転手達がUberやGOJEKなどの配車アプリに対しての大規模なデモが起こりました。

インドネシアでは時々デモが起こりますが、今回は普段のデモよりも規模も大きくインドネシアの各メディアが大きく取り上げてました。

普段から交通機関は麻痺してますが、この日はいつも以上に交通機関が麻痺をして僕も打ち合わせが全てリスケになる規模でした。

インドネシアには反配車アプリの団体陸上運輸組合(オルガンダ)が存在します。

実はインドネシアの大手タクシーのエクスプレスグループの役員はオルガンダのジャカルタ支部長なんです。

インドネシアの配車アプリデモの内容

タクシー vs 配車アプリ 5000人デモで都心閑散 政府 運営整備で対立緩和

大手ブルーバードなどのタクシーや乗り合いバス(アンコット)の運転手らが加入する陸上交通運転手組合員らは午前9時ごろ、中央ジャカルタ・スナヤンの国会議事堂前に集結、国会前のガトットスブロト通りを封鎖した。タイヤに火を付けるなどして気勢を上げ、通りかかったゴジェック運転手や配車アプリのグラブタクシーと提携するエクスプレスタクシーの運転手、警察官らを襲撃。また同通り沿いにあるグラブタクシーの看板を破壊した。
スナヤンのスディルマン通りや南ジャカルタ・クニンガンのラスナサイド通りでは、デモに参加せず乗客を乗せていたブルーバードの車両を襲撃、運転手が軽傷を負ったほか、フロントガラスを破壊した。

引用:じゃかるた新聞

タクシードライバーが暴徒化! 荒れるジャカルタ配車業界

「UberとGo-jekを潰せ!」

そう叫び声を上げ、幹線を徐行するタクシーのスクラム。ジャカルタ市民ならば誰しも毎日目にしている青のタクシーが、路上に寿司詰めになっています。

オンライン配車サービスへの反対運動から端を発するこのデモは、次第に暴徒化し治安上の緊急事態を招いてしまいました。通りかかったGo-jekのライダーをリンチにかける、Uberの車を破壊する、さらにはデモに協力しない同僚の車まで叩き壊すなどの行為が発生し、爆破テロ以来のジャカルタの安全に大きな影を落としました。

引用:Walkersインドネシア

出典:YouTube

出典:Twitter

見ての通り全く動けません。それにしてもかなり酷い映像ですね。

その日は外に出なくてよかったと改めて思いました。

やっぱりこの日のタクシーは全く捕まらなかったらしいですね。ブルーバードのタクシーの運転手が道路に座り込んでいて、全く先に進めない状況です。

ブルーバードからのお詫びの対応

デモの翌日にブルーバードは無料の対応をしていたらしいのですが、実際は「怖くてもうブルーバードは使えない」って声の方が多く、無料でも使った方は少なかったんではないでしょうか。

あの暴動の映像がインドネシア中に拡散されていたので、みんなそう思いますよね。

ブルーバードの社長のコメントを見ると自社の従業員が起こした不祥事を全く反省していないように聞こえますね。

現在、Twitterのインドネシア人ユーザーから「#boikottaksi」というハッシュタグが流通しようとしています。

暴力的な手段に訴えたデモ隊に対しては、賞賛よりも怒りの声が圧倒的です。タクシー運転手側は世論の支持をまったく得られず、デモはむしろ逆効果と化しています。

引用:Walkersインドネシア

やっぱりますます、インドネシアからブルーバードからのユーザー離れが起きそうです。

逆にデモの日Uberはフラットレートのキャンペーンを行っていたらしく、ユーザーはUberに流れていったんだと思います。あれだけの渋滞だったので距離だけのフラットレードを適応しないとタクシー代はかなりかかりますからね。

実はブルーバードも配車アプリをリリースしていた!?

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今は配車アプリではUberやGrabが有名ですが、実はブルーバードも2011年の7月から配車アプリをリリースしてました。

Uberがインドネシアで展開にした時期が2015年の1月ごろになるので、アプリのリリース時期を考えるとUberよりも3年以上も前からインドネシアで展開していることになります。 

ブルーバードのアプリはこちらから

台数やタクシー乗り場の数もありますし、配車アプリもリリースしています。

ブルーバードの方が圧倒的にUberよりも有利な状況だったにも関わらず、Uberなどの配車アプリにユーザーを取られている状況です。

ブルーバードはユーザー満足度、プロモーション、乗車料金などユーザーをなぜUberに取られたのか?を考えた方がいいのかもしれません。

インドネシアに来てから2年以上になりますが、ブルーバードのアプリのプロモーションも見たことはありません。

ブルーバードのアプリの最終アップデートも去年2015年の12月から更新はされてません。少なくとも配車アプリのUber、GrabやGOJEKが急激なスピードで伸びているのはブルーバードの経営陣も知っていたはずです。

そう考えると今回のデモは配車アプリのUberではなく、自らが勤めるブルーバード自社への抗議をするべきだったのではないでしょうか。

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デモの内容だけ取り上げられがちですが、今回のデモによって考えさせられることはスタートアップ企業がインドネシアにより良いサービスを展開することによって、インドネシアのローカルサービスレベルの向上するいいきっかけになるかもしれません。

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TAKASHIMATSUURA
インドネシア在住。東南アジアで金融サービスへのアクセスを向上させるマッチングプラットフォームを運営しています。